グローブ&ミトン

gloves&mitten

冬山の基本装備、手袋。
手袋については、長年試行錯誤してきた私ですが、やっとこの形に落ち着きました。
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冬山の掟「山中では絶対に手袋を脱ぐな」。私は先輩からくどいほど注意されてきました。たしかにほんの何十秒か素手になっただけで、まったく感覚が無くなり、回復に苦労した経験があります。凍傷は手先、足先や顔から襲ってきます。グローブはとても大事な装備です。

基本的には、気温に対応させてグローブにもレイヤリングの概念を導入しなくてはなりません。いわゆるアウター+ミッド+インナーの組合せです。スキー場と同じ感覚で、ゲレンデグローブ一丁だけで厳冬期の冬山へ入ると大いに後悔することになります。中綿付きのオーバーグローブなども、レイヤリングの観点からはお勧めできません。
しかし、寒いからといって闇雲に厚いグローブを重ねてはめていては作業性が落ちます。細かい作業をこなし、且つ保温性を保つ。これはかなり厄介な問題です。
レイヤリングの概念を作業性とも関連させましょう。
おにぎりを食べ、鼻をかみ、ポールを握り、雪洞を掘る・・・これら全ての作業をこなすには、どのようなグローブを、どう組み合わせれば良いのでしょうか?

インナー:
機能:作業性が高く、最低限の保温性を保ちます。
(写真1)(写真2)
お勧めはこちら。プロミランを使用した「245本の超極細せんい てぶくろ」\580です。北海道ではコンビニで売っています。指先に縫い目が無いので細かい作業が可能。薄い割には保温性に優れており速乾性も高く、インナーグローブにはぴったりです。
春先などには、これだけでも十分です。
写真2のように、ほとんど素手と変わらぬ細かい作業ができるので、冬山内ではこのインナーグローブを外すシーンは無いはずです。おにぎりを食べるときもションベンをするときにもはめっぱなしです。

ミッド:
機能:多少作業性を犠牲にしてでも保温性を保ちます。
(写真3)(写真4)
ミッドミトンはいろいろ試して、最終的にこちらの形式に落ち着きました。columbiaのctic Point Glommetn(アークティックポイントグロメット SU9051 \3,900)
● 素材 表 : オムニウィンドフリース(ポリエステル100%)
● サイズ : S M L
このグローブは、ミトンカバーをベルクロで固定することにより指を露出した着用もできます。
素材はフリース。手の平のウレタン製グリッパーで滑り止めの機能と耐久性を向上させています。
写真4のように、ある程度の細かい作業まで指を露出することによりこなします。


アウター:
機能:風、雪、水の侵入を防ぎます。
(写真5)(写真6)

アウターも必然的にミトンタイプとなります。雪が侵入しないように長めのタイプがお勧めです。写真のオーバーミトンは秀岳荘オリジナル ゴアオーバーミトン ロングタイプです。
価格は・・忘れた。けど最も安いのは間違いないですね。アウターは消耗品と割り切って、安い奴を買うようにしています。
天候が悪いときには原則的には脱ぐことはありません。ミッドグローブを濡らす危険を犯さないためです。ミトンタイプでも、写真6のように大まかな作業はできます。
グローブが濡れる心配の無いときや、細かい作業を行ったりする際には頻繁にアウターを外すことになりますが、その際に風に飛ばされて無くしてしまうような事がないように、写真5の下に見えるような輪にしたゴムひもを取り付けて腕に通しておきましょう。
裏技としてオーバーミトン内で指を出して中のグローブを濡らさず細かい作業をすることもできます(ビールのリングプルを開ける時なんか便利)。

このレイヤリングの組合せにしてからは、グローブにまつわるトラブルは起きていません。あとは、面倒がらずにレイヤリングを実践していってください。私たちはウエアもグローブも実に頻繁に着脱しています。しかし、忘れてならないのは決して厳冬期の冬山ではインナーグローブを脱がないこと。一度凍傷になってしまったら、ウエアのジッパーの上げ下げもできなくなります。

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