写真1 2002.2
富良野岳北尾根
雪崩の破断面
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写真2 2002.2
富良野岳北尾根
雪崩ている様子
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写真3 2003.3
富良野岳西尾根
二十林班沢への雪崩
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写真4 2003.3
富良野岳ジャイアント尾根
ベベルイ沢への雪崩
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写真5 2003.3
前十勝
ボウル状斜面の雪崩
(ぱっちまん提供)
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写真6 2003.3
富良野岳ジャイアント尾根
スキーヤーが誘発した表層雪崩
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写真7 2003.5
富良野岳
大規模な雪崩
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写真8 2003.5
富良野岳(左写真のアップ)
破断面は1メートル以上と思われる
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写真9 2003.5
化け物岩付近の雪崩
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写真10 2003.5
八ツ手岩付近の雪崩
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写真11 2004.1
三峰山沢
スキーヤーが誘発した表層雪崩
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写真12 2005.1
三段山 西の谷
スキーヤーが誘発した、破断面70〜80センチの雪崩
ガイドの山小屋さん提供
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写真13 2005.1
三段山 二段目
ノーマルルート上の雪崩
西の谷の雪崩と同種のものが、同時期に発生したと思われる
GAKUさん提供
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写真14 2005.1
三段山 二段目
左の雪崩の破断面の様子
GAKUさん提供
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写真15 2005.1
三段山 二段目
左の雪崩の全景
1月22日に撮影したもの
Tsudaさん提供
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写真17
EastEndさん提供
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写真18
EastEndさん提供
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図1
EastEndさん提供
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地図を見ると、実に広範囲に数多く雪崩が発生しています。「雪崩学」によると、この山域で雪崩により死亡した人数は10名。
雪崩に関しては安全と言われていた三段山でも、雪崩に襲われる危険性があります。
BCへ入る皆さんには、雪崩の知識を持ち、雪崩装備を携帯し、レスキュー訓練を受けることを強くお勧めします。
三段山クラブが遭遇した雪崩は、ほとんどがBCスキーヤーやボーダーによる誘発雪崩です。従来ほとんど雪崩の報告の無かった富良野岳の北側で雪崩が多く見られるのは、近年富良野岳に入るBCスキーヤーやボーダーが急激に増加し、それに伴い誘発雪崩が多発したためです。
雪崩事例:
○2006年3月6日(月)三段山 二段目
天候:曇り時々雪 風速:風向は西、風速は樹林限界以上はたぶん20m/s以上
視界:不良 気温:0度
雪質:樹林帯上部はパックスノー、下部はそれより軽めの滑りやすいパックスノー
三段山で初めての雪崩遭難による死亡事故です。詳しいレポートは
こちら
○2006年3月11日(土)美瑛岳 1200m 写真17,18,図1
天候:晴れ間〜曇り〜小雪(里は雨)風速:強風 気温:-1〜7度
美瑛岳へ友人2人とテレで入山、不覚にも1200m付近で雪崩を誘発してしまいました。面発生で幅50m走路25m、厚さは10cm〜120cm。三段目の左岸に似たようなところをトラバース気味に沢〜ボウル状の底に下りようとしたときでした。
最初スリップしたと思ったら目の前に網の目のように亀裂が走ってずぱっ、という感じでした。私の後続1人も巻き込まれたのですが、私がスリップしたように見えたと思った次の瞬間は自分の所まで亀裂が襲ってきたそうです。
弱層は破断面の薄いところで弱層を観察すると顕著ではないこしもざらめ、ピットは掘らなかったので強度は不明ですが簡単にスラブ状にはがれたので弱そうでした。雪庇というほどにはなっていない吹きだまりを私たちの進入をトリガーにして誘発したようです。
○2005年1月16日(日) 三段山 写真12〜15
天候:晴れのち曇り 風速:南からの強風約15m
発生位置:通称西の谷1450m付近 下から見てY字地形の中央部分
雪崩の詳細:風成雪の表層雪崩 幅10m,長さ30〜40m,破断面の深さ70〜80センチ
デブリの大きさは最大で畳み一枚程度。エッジが立たないほど固く締まった雪質。
発生原因:スキーヤーの誘発
埋没者や負傷者なし
富良野岳でも、ベベルイ沢1500m付近で亀裂が発生していた。
ガイドの山小屋HP:
http://www.yamagoya.jp/winter/nadare2
発生日時ははっきりしないが、恐らく同じ日に三段山二段目でも同種の雪崩が発生していた。
NEXT ONE HP:
http://blog.livedoor.jp/next_one/archives/13007175.html
○2005年1月3日(月)三峰山沢
天候:吹雪 気温:-5〜+5℃ 風速:南からの強風 雪量:たっぷり 雪質:やや湿った細かい雪 新雪の風成雪
十勝岳温泉凌雲閣から三峰山沢へ、長い斜面を下りきって沢を対岸に渡ろうとしたところで上に広がる30m×15m四方のボール状の斜面が音もなく崩れ落ちてきた。
ガイドは立ったままで頭まではぼ完全に埋没、その後、ツアー参加者の援助を得て脱出。腰から下の雪は固くてやや難航した。また他のグループによると翁スロープでも雪崩が発生したという。
ガイドの山小屋HP:
http://yamagoya.jp/winter/nadare1.htm
○2004年1月11日(日) 富良野岳
天候:雪 気温:約10℃ 北よりの風、前日より明け方まで暴風だったが行動中のみはほとんど風が止んでいた(低気圧の中心付近頃に行動)。
ベベルイ沢末端収束部分にて面発生乾湿表層雪崩。規模は破断面30センチ、収束部分全面(上端幅約30メートル)。
末端部は幅10メートルに満たない場所の為、全てのデブリがこの部分に集まって走った。
距離は上端より50メートル以上は走っている。
いつもの滑降ポイント1500メートル付近のベベルイ側の雪の状態は悪くなかったが、この部分だけが雪崩れてライダーは立ったまま胸の高さまで埋没、自力脱出。
トリガーはライダー。
○2004年2月10日(土) 三峰山沢 写真11
天候:吹雪、風速:0〜10メートル、気温:-9度、雪質:ウインドバック
三峰山沢の源頭部分で、表層雪崩。規模は、幅10メートル、長さ15メートル、破断面は20〜30センチ。
誘発したスキーヤーは、流されたものの埋没せず無事。
○2004年3月6日(土) 富良野岳
晴れ、気温-11℃、南東の強風
ジャイアント尾根の西側の沢の源頭部分(1500m付近)で表層雪崩が発生したそうです。規模は、厚さ20センチ,横10メートル,縦15メートルほど。遭遇したボーダーの方は無事。
ジャイアント尾根の中腹から下にかけて最近のものと思われる雪崩のデブリがたまっていたとの事です。
○2004年3月6日(土) 旭岳
午後1時50分ごろ、旭岳スキー場のAコース脇。正確には盤の沢へトラバースする為にコースを逸脱してすぐの場所(大きな岩の下)、斜度40度程の斜面で、幅十メートル、長さ三十〜四十メートルの表層雪崩を遭難者が誘発。
その時には流されただけだったが、その後二次雪崩が発生して完全に埋没。
遭難者のパーティは雪崩装備を一切持っていなかったので、手堀で捜索を行った。
そこへ、道外から来ていた雪崩装備を持つパーティが救援に駆けつけ、ゾンデ棒による捜索で深さ一メートル程度に埋没していた遭難者を発見。
遭難者を掘り出した時には、雪崩発生から四十〜五十分が経過していた。心肺蘇生を試みるも、その時点でほとんど絶命状態。
その後、圧雪車で姿見駅まで運び上げて、ヘリで病院へ搬送した(7日に「蘇生後脳症」で亡くなった)。
当日は、ウインドパック気味の重たいパウダー(滑りには支障のない程度)が、切れやすい状態だったとのこと。
付近に、雪崩装備を持ったパーティが居たことが早期の発見につながりましたが、それでも手遅れだったということですね。遭難者発見時に、専門家でないものが低体温を考慮した心肺蘇生を行うというのは、甚だしく困難であると思われます。だから、なおさら雪崩装備を必ず携行しましょう!
二次雪崩の恐ろしさも頭に入れておく必要があります。
今回のケースでは、救助隊が到着する前に救出が行われており、現場での事後処置は最前を尽くしていると思います。現場で尽力された方々に敬意を表します。故人のご冥福をお祈りします。我々は、この貴重な教訓を生かしていきましょう。
・雪崩地図へのご指摘:上ホロの北斜面のマーキング位置が高すぎるような気がします。10年ほど前の赤平の方の遭難事故なのでしょうが、北西稜の1650〜1750mくらいだったと思います(確認次第修正します)。