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2004年2月1日(日)
三峰山スキーツアー(禁断の楽園)
危険!! 雪崩・急斜面

天気予報通り、ほぼ曇り。極希に薄日が差す天候。
前日に田中パパから「パウダーに対するモチベーションを保つために、明日はあえて上ホロをピッケルアイゼンで登ろうと思う・・」などと不穏な電話が入りハラハラしたが、うまいことに上ホロがガスに包まれ、共に三峰山のパウダーを喰いに行くことになった。
車をデポするために立ち寄ったバーデン上富良野前の駐車場は満車状態。もの凄い混み具合だ。
こちらで三段山クラブは三段山隊と三峰山隊の二隊に分かれた。
三峰山隊は、何時も通り凌雲閣の露天風呂横の沢を降り三峰山沢へ。
前回雪崩れた苦い教訓を生かして、何度も場所を変えて弱層試験を行った。
25センチにサンクラストによるものと思われる弱層があったが、比較的強く結合していたので旦那からドロップ!想像以上に素晴らしいパウダーだった。
かっちゃんは、別の斜面をスラフと共に滑り落ちたが、「今の滑りは納得できない!」とご立腹。何ターンかアルペンで逃げたことが許せないようだ。
まーぼはエントリーに失敗し、クリフの上の木に宙づり状態に!無線機からは「やばい〜死ぬ〜!」という悲痛な声が入るが、どうしようもない。「とっとと観念して落ちな!」などと冷たい返事をしていると、まさしくドロップして滑り落ちてきた。
こちらから、三峰山へ向かって登り返し。ガスがかかっている高度ギリギリまで上がって滑りを楽しむことにした。
滑降地点へ到着した時には、ガスっぽかったが、ドロップするときには奇跡的に晴れてきて気持ちよく滑ることができた。
よし!調子が出てきた。
再び三峰山沢へ、各自気に入った斜面を選びながら滑っていく。無線機で連絡を取り合っているので、この辺は融通が利いて助かる。
今度は、雌鹿ノ滝付近の壁へ登り返し。昨日イシバシさん達が滑り降りたホコ岩の東側シュートのシュプールが、良く見えた。
ここで旦那だけが斜面の途中へトラバースして入って、皆から見えない所で弱層試験を行った。
撮影準備が整い、無線でドロップの指示を出そうとしたら・・「ボム!プシュー」と雪崩エアバックが作動!カメラがトリガーハンドルに引っかかったらしい。
「えー、こちら旦那、雪崩エアバックが誤作動して開いていますが、気にしないで滑って下さい」「・・・了解」
皆、なるべくこちらを見ないようにして急斜面を滑っていく。唯一マーボだけがまともに旦那を見てしまい、爆笑してバランスを崩し爆裂転倒!いや、悪いことをした。
その後、雌鹿ノ滝の直下に集まった皆から大笑いされてしまった。二万円の一発芸。これだけ笑われたら元はとれたかも・・
哀れな旦那はエアバックを膨らませたままバーデン上富良野へ・・うーん。高く付いたツアーになったが、新しい斜面を開拓できて良かった。


天候:曇り、極希に晴れ
風速:0〜5メートル
気温:-11度
雪量:十分
雪質:25〜30センチの軽いパウダー
コース:凌雲閣〜三峰山沢〜三峰山テラス〜雌鹿ノ滝〜バーデン上富良野
メンバー:旦那、かっちゃん、まーぼー、なまこ、田中パパ、toshi 計6名


三峰山沢へ向かう、かっちゃん

ミックスと共に急斜面へ向かう
田中パパ

三峰山沢の核心部を滑る
田中パパ
ちなみに右端のシュプールは旦那
前回は、ここが雪崩れた

エントリー地点への到達に失敗!
木の枝にぶら下がる、まーぼ
無線からは「死ぬ〜」の声が・・
このあと、まさしくドロップしていました

一旦、ソールが雪に着けばこっちのもの、鮮やかなターンを決める、まーぼ

深いパウダーを落ちる

今度は三峰山目指して登り返し

正面に見える斜面を滑ることにする

ガスが晴れてきた!
ファーストは田中パパ

なまこ

toshi

かっちゃん

無事滑降
しっかりシュプールを刻んできました

次に滑る斜面を探す・・
左下に見える滝の周囲がおもしろそうだ・・行こう!

登り返し地点まで、各自気に入った斜面を滑る
かっちゃん

田中パパ

なまこ

なまこ・・大転倒の巻

・・まーぼ
さっきので、フォールするのが癖になったようだ

まーぼ

雌鹿ノ滝周辺にて

旦那のABS誤作動の図

緩く見えるが、実は結構な急斜面を落ちる、かっちゃん

同じく、猛然と突っ込む、田中パパ
滑り出しでは斜面が見えないので、旦那が無線で斜面の様子を伝える

続いて、まーぼ
あ!イカン!視線が旦那に・・

まともに見たら最後・・大爆笑して転倒してしまいました

なまこ
ん?このフォームは、まーぼの技を盗んだのか?

toshi
なぜか斜面を横切るように爆走、
この後ブッシュに突っ込んで転倒・・

下から見上げた、雌鹿ノ滝
ちょっと短いけど、アイスクライミングに良いかも

笑い者になった旦那

イシバシジン達が滑った、ホコ岩の凌雲閣側シュート
シュプールが残っていた。滑降の様子は、いつか市販ビデオで見ることができるだろう・・

バーデンかみふらの前に到着した、
プチ・デビルマン

せっかくなので、
ABSファッションショーを開催
まず、かっちゃん

田中パパ
マドロスを演出

なまこ
かわいさをアピール

はらっち
旭川山岳会所属、山屋のお手本のようなスタイルで登場
富良野岳ピーク敗退
危険!! 雪崩・急斜面
ということで、こちらは、本当に雪崩のリスクが高い。特に西斜面はサンクラストして弱層ができやすい。
僕らも、何度も場所を変えて弱層試験を行った。
それにしても、三峰山付近では、出だしにかなりベテランの山スキーヤー一名と出会った以外は、誰とも出会うことが無かった。
ここへ来ると、10年以上前に山スキーを始めたばかりの頃の山を思い出す。
見渡す限り人の居ない手つかずの斜面に囲まれる幸せ。綺麗な雪面に自分達のトレースだけが刻まれていく快感。僕らは巨大な青氷の滝を見上げて感嘆し、素晴らしい斜面を発見して滑り込み快哉を叫ぶ。
ただし、ここへ到達し滑りを楽しむためには、かなりのリスクと厳しい登り返しを覚悟しなくてはならない。
三段山クラブ内でも、行ける人の力量と1パーティの人数を考えて二隊に分けたほどだ。まさしく禁断の楽園。恐ろしい楽園。


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