ついに登場!地図入りGPS
-その1-
携帯GPSに地図が内蔵されていたらなあ・・これは皆さんの長年の夢だったと思います。やっと登場した地図内蔵GPSを二回に渡ってレポートします。
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使い物になりそうな、地図入り携帯GPSが「(株)いいよねっと」より、とうとう登場した。
正確に言うと、50m間隔の等高線データと25,000分の1の詳細地図をPCからGPSへ転送可能になったのだが・・このデータはeTrexLegend(イートレックス レジェンド)税抜き\59,800か、eTrex Vista (イートレックス ビスタ)税抜き\79,800 にしか転送することができない。
つまり、私の持っているeTrex Venture(イートレックス ベンチャー)英語版には転送できないのだ。
地図を内蔵するためだけに高価なGPSを買うことにためらいを感じ、登山者からの使用レポートが出てきてから検討しようと思っていたが、冬山登山者からの視点でのレポートはなかなか出てこないだろうと思い、この度思い切って購入に踏み切った。

選択したのは、eTrex Legend 日本語版。
LegendoとVistaとの違いは、電子コンパスと気圧高度計の有無である。
Legendを選択した理由は、
1.信頼性を考えると通常のコンパスをVistaで置き換えることは考えられないこと。
2.GPSで測定した高度で不満を感じたことは無いし、気圧高度計が欲しければ低価格な登山用時計にも精度の高い気圧高度計が搭載されていること。
それなのにVistaに2万円を余計に支出し、電池寿命を25パーセント(16時間->12時間)も減らす事はないだろう。特に電池寿命に関しては、冬期間の使用に支障をきたす可能性が高い。
LegendVista 

では早速インプレッションを・・
旦那は、ずっとeTrex Ventureを使用してきたので、それとの比較を交えてレポートする。
パッケージを開けて、とりあえず屋外で電源を入れてみた。
初期化にかかった時間は2〜5分(条件による)。その後は15秒程度で位置を特定できる。
ここまではVentureと同じなのだが・・・
ここからが違う。位置の特定が終了すると同時に、日本地図が出てマップ上で現在位置を表示するのだ。
Ventureがそっけなく緯度経度を表示して終わりなのに比べると、まったく受ける印象が違う。
数値と図形の認識性の差に素直に感動してしまう。
緯度経度から直感的に現在位置を把握することは、普通の人には絶対無理。そこに今までの携帯GPSの問題点、ややこしい点が集約されていた。
1/20万スケールの地図であるとはいえ、「スイッチを入れると、現在位置が地図上に表示されること」というGPSの本来あるべき姿に、携帯型GPSがやっと到達したのだ。
さらに、日本語表示なのも嬉しい。160×288ピクセルという高解像度表示のおかげで、日本語が違和感なく表示される。これで、ますますGPSの敷居が低くなった。
測位が完了すると、すぐにこのような地図画面(1/20万)が表示される。

この時点で気になった点、
1.スクロールと縮尺変更時の再描画にもたつきが見られること。
2.操作性に関しては、ジョイスティックによるマップの移動が縦と横にしか対応していないのが辛い。つまり斜めに移動できないのだ。これは要改善だろう。
3.マップ上のスケールは、左下のラインではなくて現在位置を中心にしたサークル(GPS12等ではそうだった)にして欲しかった。Legendでもサークルが表示されるが、これは誤差の範囲を示している。
4.高精細だが表示面積が小さすぎて、視認性が悪い。高齢者・・老眼の人には辛い。
5.電源を入れるたびに「注意!取説をよく読んでからお使い下さい」とか表示されること。こういう人を馬鹿にしたおせっかいは、そろそろ止めてはどうか?こんなことはUDでもなんでもない。メーカーの下らない責任回避だ。
6.eTrexシリーズ全てに言えることだが、激しい振動で電源が落ちる。MTBツアーなどでは致命的。通常の登山やスキーツアーなどでは問題ない。
7.Vistaよりはマシだが、Ventureよりも電池寿命が減ったこと(20時間->16時間)。冬期間の使用で問題にならないか、不安を残す。
8.最大の不満。高価であること。これはこの製品の全ての利点を打ち消しかねないほどだ。

良い点、
1.設定で、電池の種類がアルカリ、ニッカド、ニッケル水素、リチウムから選択できるようになったこと。これで正確な電池の残量が把握できる?
2.マップ上でポイントしたところが、道路か河川かポップアップで表示してくれる。(白黒ディスプレイの欠点を補う苦肉の策だろうが、施設の種類なども表示してくれるので便利)
3.トラックログのポイント数が、Ventureの2048から大幅に増えて10000になったこと。Ventureでは日帰り程度のトラックログしか残せなかったが、これなら三泊四日程度の山行でも十分使える。
4. 綺麗で分かりやすい日本語表示。英語の専門用語から解放されたのはありがたい。
特に”漢字”が使えるということには、大きな利点がある。
eTrex Legend 日本語版は、単漢字変換機能を持っていてJIS第一水準までの漢字をポイントやコース名に使うことができる。
具体的なメリットとしては、例えば"十勝山小屋"(1バイト文字で10文字)というポイントを作りたいとする。これをローマ字で表記すると、"tokachi yamagoya"という風に16文字にもなってしまう。そして、eTrex Legend 日本語版には、一つのポイントに対して名称は10文字(1バイト文字)までしか入らない。
字数を節約するために英語で書いても"tokachi hut"(11文字)になってしまう。
また、例えば英語で表記できない"沼ノ平"(1バイト文字で6文字)などの地名は、どうしても"numanodaira"(11文字)にしかならない。
パッと見たときの認識性の違いもさることながら、英文字で長く表記されてしまうと、あの小さなディスプレイに表示させたときには、大変邪魔なものだ。あらためて漢字の便利さに感心する。
漢字のデメリットは、入力が大変面倒なこと。パソコンで入力してから転送することをお勧めする。

さて、
最初から内蔵している1/20万の地図は、幹線道路を移動するだけなら必要にして十分だ。
しかし、地図のデータ量が少ないので、ハイキング、登山、林道ツーリングなどの用途には、あまり役に立たない。
そこで、別売のMapSourse 日本地図TOPO \16,800(カタログ価格)をインストールして、1/25000レベルの地図情報と50m間隔の等高線をGPSに入れる必要がある。我々が必要としているのは、このレベルの地図情報なのだ。・・つづく

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